ベトナムの建設業界について

はじめに

ベトナムの建設業は、今後のベトナムで最も高い成長率が予測される産業の一つです。既に日本のゼネコン・建設会社の参入も見られます。

このコラムでは、ベトナムの建設業界について紹介していきます。

建設業界の動向

ベトナムの民間建設工事の市場規模は、2015年時点では約70億ドルで、2021年時点ではこの2倍を超えると言われています。

ベトナムは、今年、遅くとも来年には人口が1億人を突破すると言われています。加えて、ベトナムでは都市に住む人口もコロナ禍に関わらず増加しています。

実際の街並みを見ても、都市部では新しいマンションやオフィスビル等、現代的な建物が多く建設されています。一方で、地方でも高速道路などのインフラ設備の建設が見られます。

ベトナムの建設市場は、このように成長する要素を多く抱えています。

ベトナムのゼネコン

ベトナムには、スーパーゼネコンと呼べる企業は2社しかありません。Coteccons Group とHoa Binh Groupの2社だけです。

両者の最大の違いは経営状況です。コテコンズグループは、ベトナムで唯一の無借金経営を貫く会社です。東南アジアで最も高い、ホーチミン市の「ランドマーク81」を手掛けたことで知られます。一方で近年、主要株主間で派閥争いが勃発したようで、今後に注目です。

ホアビングループの方は、長年に渡って多くの借金を抱えている企業です。代表的なプロジェクトとしては、カントー国際空港の旅客ターミナルなどがあります。

ベトナムには、ゼネコン以外にも多くの専門建設会社があります。

まとめ

ベトナムの建設業界には既に日本企業が多く参入していて、市場が成熟しきっているように見えるかもしれません。一方で、経済回復のための新しい空港や高速道路等が計画されています。また、カーボンニュートラルを達成するための発電施設等インフラ分野を始めとした先進的な領域には、まだ参入余地があります。