【解説】ベトナムで土地を持つためには!?
はじめに
ベトナムでは2015年から外国人による不動産の購入・投資が可能になった。だが、ベトナムには固有の法規定や制度があるため、不動産を検討しているなら留意しておく必要がある。今回はベトナムで不動産をもつためのポイントを解説する。
土地所有は不可能
前提してベトナムでは個人で土地を所有することが認められていない。土地を使用する際は「土地使用権」を取得する必要がある。国はこの土地使用権を使用者に交付している。要するにベトナムで「土地の売買」は「土地使用権の売買」ということに値する。
土地使用権の2つの取得方法
土地使用権には①割当と②リースの2つの形態がある。①で外資系企業が土地を所有することができるのは「販売・賃貸用住宅の建設プロジェクト」である。ただ、この場合の外資系企業は「外国企業や外国人の株主がいるベトナム国内企業」のことである。そのほかの外資系は割当を受けることができない。
②はリース料の年払いか全リース料の一括払いによって規定が異なっている。前者は土地使用権の譲渡や担保権設定などが認められていない。一方の後者はそれらが認められている。
期限
割当とリースのどちらでも、土地の使用期限は50年と決まっている。ただ、投資資本が大きく、かつ資本の回収が遅い場合、経済、社会的に困難な場合は70年までの延長が可能である。
建物は所有可能
土地の上に建てられている建物に関しては私人による所有が認められている。ただ、外資系企業や外国人に対しての建物の購入は厳しい規制がある。これには居住用建物と非居住用建物によって違ってくる。居住用建物は外国人個人でも認められており、外資系企業は社宅としての利用であれば可能である。非居住用建物に関しては外資系企業による所有が可能である。ちなみに不動産を購入して「転売・賃貸」は禁止されている。
まとめ
近年は外国人による不動産購入に関する法規定が緩くなってきている。これは外資系にとってはかなり機会が増えたといえる。コロナ終息後はさらに不動産市場が白熱すると思われる。
最後に
今回はベトナムの外資系企業による不動産投資について解説した。
詳しくはこちらを参考にしていただきたい。
日本人がベトナムで土地所有は可能?不動産に関わる法規定を徹底解説 | VietBiz(ベトビズ)
ベトナムの排水問題を解説!
はじめに
ベトナムには濁った色の河が多い。これは水環境が悪いことを簡易的に教えてくれる。今回はベトナムの排水問題について簡単に解説する。
現在の水問題
ベトナムでは人口増加や経済発展に伴い工業化が進められてきた。その裏では生活排水や産業排水が増加している。さらに排水を処理するインフラが整っていない。そのため水環境に多大なる汚染をもたらしている。政府の定めた基準があるものの、それを満たさないままに排水を河に放流するケースが多い。また、無許可の占有や埋め立てなども多発しており、排水を妨げていることも水環境の汚染につながっている。
法規定と罰則
上記でも述べたが、政府は排水基準も定めており、環境保護に関して厳格に進めてきた。しかし、法の制定が先走りし、実際の効果とは遠かった過去がある。それを踏まえて、近年では基準を違反した企業に与える罰則を強化した。取り締まりや罰則が強化されれば企業の排水管理も強化されると考えられる。
汚泥増加
ベトナム政府は公的資金で下水道の整備を進めている。ベトナムでは20の都市に下水処理場が40か所存在する。ただ、これに伴い、下水処理から汚泥の増加がみられる。ベトナムでは大体の世帯が浄化槽だが、ほとんどの下水は未処理で川に流される。これにより浄化槽、排水システム、下水インフラの3つからの汚泥が増加している。脱水処理をして埋め立て処理をするのが現状である。ホーチミンでは1日に数百トンもの汚泥が発生しているが、2050年には1日に2000トンも汚泥が増えるといわれている。
まとめ
政府の排水処理強化により、これからの水環境の市場規模は成長すると思われる。なかでも産業向けの排水処理と汚泥処理は特に伸びると考えている
さいごに
今回はベトナムの排水処理について解説した。
詳しくはこちらの記事を参考にしていただきたい。
ベトナム環境産業の成長性:産業排水の増加と汚泥処理ニーズの高まり | VietBiz(ベトビズ)*1
*1:ここに脚注を書きます
優良なベトナムのお菓子市場を解説
はじめに
ベトナムでは「外国のお菓子=いいもの」というイメージが存在する。そのため、外国製菓企業は絶好のチャンスといえよう。また、経済発展から多少高いお菓子やニッチなお菓子の需要が拡大してきている。今回はベトナムの製菓事情について簡単に解説していく。
市場
まず、ベトナムの製菓市場の規模は2021年から2025年までの間に消費量が4.2%ずつ増加するといわれている。区分で見ると、ボックスチョコレートは2013~2018年の間に6.7%増加した。加えて、ガム製品は年間で136億円の市場であり、もっとも消費額が高い。
日本のお菓子
ベトナムでは外国のお菓子が人気であるが、中でも日本と韓国からが多い。日本のお菓子はポッキーや明治のチョコ、亀田製菓のICHIなどが人気である。
トレンド
デロイト社によると、ベトナム人がお菓子を買うときに考えることの念頭に「健康」ということがあげられることが分かった。これは近年のベトナムでの健康志向が起因していると思われる。具体的には、内容量を抑えたパッケージサイズや無糖低糖、ダイエット菓子や妊婦用などのニッチなお菓子などである。
購入場所
経済発展による所得倍増から、ベトナムではライフスタイルが変化している。都市ではコンビニが人気であり、速さと便利さの2つを兼ね備えている。さらに、ECの発展によって供給が活発になってきている。
ベトナム製製菓にも
これまでベトナム製はあまりよく思われていない風潮があったが、デロイト社の2020年の調査によると国内産の需要が増えてきていることが分かった。これにはベトナム企業が投資を増やして品質を上げたことが理由とされている。
今後の課題
ベトナムの製菓市場は「輸送問題」や「偽物問題」などいくつも課題を抱えている。これを解決することで今後の需要を伸ばせるかもしれない。
まとめ
今回はベトナム製菓市場について簡単に解説した。多々問題はあるものの、ベトナム製菓市場は優良な市場だと考えている。今後の発展にも注目である。
詳しくは以下の記事を参考にしていただきたい。
ベトナム製菓市場の考察:消費市場の有望性と成長予測 | VietBiz(ベトビズ)
ベトナムの巨大企業:マサングループを解説!
はじめに
マサングループ(Masan Group)はベトナム最大級のコングロマリットとして知られている。日本では会社名はわからなくとも「CHIN‐SU(チンスー)」というチリソースなら見たことはあるのではないだろうか。今回はマサングループを簡単に解説していく。
創業から巨大企業
創業者であるNgueyen Thanh Quang氏が留学先のロシアにてインスタントヌードルの販売を開始した。これが現地のロシア人やベトナム人から人気を得て、順調に売り上げを伸ばした。2001年にはチリソースやヌクマムの製造販売も開始。その後、会社は現在の巨大企業にまで拡大していった。
業務内容
飲食料品部門から始まったマサングループも、現在では食肉・鉱業・リテールなど幅広く行いる。2020年にスーパーマーケットチェーンの「ビンマート」を買収した。それによりマサングループの売り上げの中では最大の38%を占めるリテール部門(小売り)が始まるのであった。
また、割合としては10%であるが鉱業という部門も2020年に建てられた。
ビンマート買収から
上記で述べたスーパーマーケットチェーンのビンマートを買収したことは、売上アップに大きく貢献した。買収前と後では売り上げが2倍も差ができている。ただ、純利益率は同年比で80%ほど減少した。この原因としてはビンマート単体での赤字を含む経営難にあった。マサングループによる改革が今後の利益率を変化させることだろう。
今後のマサングループ
マサングループは豚の飼育農場を持っており、自社で飼育、加工を行うことが可能であった。それに加え、ビンマート買収により自社による販売し消費者に届くまでの一貫した6次産業の経路を構築した。ビンマートは全国に2600店舗あるため、今後のマサングループはさらに発展することだろう。
最後に
今回はマサングループについて簡単に解説した。
詳しくは以下の記事を参考にしていただきたい。
マサングループの企業分析:ベトナム大手コングロマリット企業 | VietBiz(ベトビズ)
解説!ベトナムSNS事情!
はじめに
ベトナムのスマートフォン普及率は世界トップ10の64%であり、インターネット普及率は68.7%である。先進国であるG7諸国の86.7%と比べるとまだまだ低いものの、発展途上国は半分も満たない。そのため、ベトナムはスマートフォン及びインターネットが大分普及しているといえる。また、人口の67%がSNSを利用しているため、インターネットを使う人はもれなくSNSも活用していることになる。今回はベトナムのSNS事情について解説する。
ベトナムではFacebookの利用が圧倒的である。調査会社によると、調査の参加者のうち98.9%がFacebookを利用していた。また、YouTubeやTwitterと比べても格差があり、ほとんどのベトナム人が認知していると思われる。中でもグループ通話やライブ配信、マッチング機能のなどの機能が好まれる要因でもあるともいわれている。そのためFacebookを通じてモノやサービスを販売する人も多い。しかし、近年ではFacebookの個人情報の扱いに対して、イメージが悪化している。実名だけに利用をやめる人も少なくないという。
YouTubeやZalo(日本でいうLINE)を除けば、Facebookの次に利用者が多い。「高画質の画像」に特化しているところが魅力的であるという。特に若い女性を中心に流行っており、利用者の63%は女性であり、中でも18~24歳のグループが多い。
Instagramにはインフルエンサーマーケティングに効果的な機能やマーケティング効果の高いハッシュタグ機能などが充実している。加えて、Facebookとの連携をすることもできるので、Facebook利用者が流れてくることも珍しくない。ただ、高画質なビデオを投稿することはできないという難点を持っている。マーケティングとしては致命的である。
TikTok
TikTokは現在世界で最も人気のある動画投稿アプリである。短い動画に特化しているため、YouTubeとは異なり、簡易的に閲覧することができる。しかし、30歳以上の利用者がいないことが短所である。若者のみのトレンドともいえる。
まとめ
Facebookを中心にベトナムではSNSが流行っている。ただ、同じSNSという括りにしてもアプリごとに趣向が違う。また、SNSを利用したマーケティングは競合が多いため非常に難しい一方で、低コストで行うことができることは大きい。いかにユーザーの需要を満たすかが肝心である。
最後に
詳しくは以下の記事を参考にしていただきたい。
ベトナムSNSマーケティング最新動向:日本製品の販売を解説 | VietBiz(ベトビズ)
ベトナムにおける共産党・社会主義とは
はじめに
ベトナムは親日家ともいわれており、日本とも似ている点がある。その一方で日本が資本主義に対してベトナムは社会主義である。名前だけは知っているものの、実際に社会主義が何なのかわからない人も少なくないだろう。
民主主義
原則は国民が主権を持ち、政治の決定に関与することである。これを元に国ごとに違いがあるものの、民主集中制はある。
資本主義
個人で資本を持って自由に生産活動をすることができる。自由な競争が起き、多くの富を得る人が現れるが低収入や失業する人もいて格差が生まれる。
社会主義
会社や工場の生産手段を国や政府が管理する。自由な競争はなく、国の計画によって行われる。国がそれぞれの働きによって再分配する。
共産主義
社会主義をさらに進化させ、平等な社会の実現を目指す。社会主義とは異なり、国や政府という管理者がいなく、個人の財産の保有も認められない。
現在のベトナムは
共産党が主導する社会主義国家なのに、なぜ貧富の格差が存在するのかと疑問に思う人もいる。「みんなが平等に公正な社会を実現するの」というのはあくまで思想や首長である。現実は異なり、個人間の平等よりも経済発展に重きを置いているため、豊かになる人はどんどん豊かになる。
集団指導制
ベトナム共産党の員数は510万人と人口の約5%弱である。ベトナム共産党はマルクスレーニン主義とホーチミン主義を堅持し時には理論や指針を発展させ、国や政治の決定を行ってきた。ベトナムの国家方針や政策は、実質政治局にて決定されている。そのため、政治局のトップが国のトップとなる。
政治4役
ベトナム共産党は個人に権力が集中することはなく、政治4役という党書記長、国家主席、首相、国会議長に分かれている。これらにより、様々な権力のバランスを保っている。
まとめ
社会主義と聞くと国が国民を強制的に統制しているように考える人もいるだろう。しかし、ベトナムに行ったからと言って社会主義を感じることは役所の手続き以外ではないだろう。
最後に
詳しくは以下の記事を参考にしていただきたい。
ベトナム駐在員必見:共産党・社会主義を知る者がビジネスを制する | VietBiz(ベトビズ)
日本とは違う⁉ベトナムのハム・ソーセージを紹介!
はじめに
ベトナムのソーセージやハムは日本で馴染みのあるものとは異なっている。故に「ベトナム風~」と称されることが多い。今回はベトナムで消費される伝統的な食肉加工品を紹介する。
ベトナム風ハム
チャールアやジョートゥの2種類がある。前者は最も親しまれており、正月料理やバインミーなどで消費される。ジョートゥは豚耳で作られており、正月料理やおつまみとして有名である。
ベトナム風ソーセージ
主にネムチュアやネムナムである。ネムチュアは発酵食品であり、北部で作られる。おつまみとして親しまれ、そのままやチリソースをつけて食べられている。ネムナムも北部の特産品であり、製造方法も大方同じである。ただ、形状が異なり、前者が棒状であるのに対し、後者は球体である。
ベトナム風乾燥肉
肉を調味料とゆでた後に、乾燥させるものであり、日本ではビーフジャーキーが連想される。ベトナムの乾燥肉の中で広く浸透しているのは鶏肉が「ホーガー」、牛肉が「ホーボー」、豚肉が「ルオック」と呼ばれている。おかずやバインミーの具材として消費される。
チャーシュー
日本と同じように中国から伝わったものであるが、味付けが日本とは違っている。加えてエビの粉末で着色したものが多くみられる。
海外由来の食肉加工品
ベトナムには海外からの食肉加工品も多く浸透しているが、主にフランス支配が起因とされる。ソーセージやハム、ベーコンなどは概ね日本でもよく見られるものといえる。それに加えて、「パテ」が親しまれている。パテは肉や魚をペースト状に練り上げたものであり、バインミーの内側に塗って食べられることが多い。
まとめ
ベトナムの食肉加工品を簡単に解説した。人口増加や衛星概念、ライフスタイルなどの理由より食肉加工品の需要は増加している。その一方で、課題もある。詳しくは以下の記事を参考にしていただきたい。
ベトナム食肉加工品・ハム・ソーセージ市場の最新動向と将来予測 | VietBiz(ベトビズ)